【詩作】素敵なこと
素敵なことそれは
じょじょにきみとあたしのキョリが
近くなっていくこと
彼氏とどう繋ぐのと
きいてきて、
小指だけで繋ぐよと言った
嘘と嘘がからみ合い、
じょじょに伝えあう体温は
あたたかくて
とても素敵なことだった
あたしの真っ赤な顔が
やさしさでできていること
知っている人って
少ないの
もうあの頃に戻れない戻りたい
J-POPの歌詞は言うけどさ
ひとつの森で
幾度もすれ違いながら
過ごしている森のクマみたく
あたしたちも
うまくいかないかなってね
七月の夜は長くてとろけてしまうね
青い樹木のなかにいる
ぬるい風が肌を撫で
虫のこえに耳を澄ます
そこにきみの姿はまだなくて
ただ二頭のクマが
のそのそとやってきて
すれ違いざまにね
あっと思い出したように
おしりを嗅ぎ合うの
それって胸がつまるくらい
素敵なこと