y0u2k7a5loveの日記

詩とか小説書きます。

【詩作】やさしい世界


やさしい音楽と

やさしい小説があって

やさしい動物と

やさしいひとがいて

おたがいのことは

そんなに知らないけど

すぐ打ち解けあって

一緒に料理をしたり

毛糸があればマフラーを

それから空は

ピンク色をしていて

夜になると

鮮やかなミドリになる

ケーキを食べよう

ドーナツにする?

先にコーヒーを淹れなきゃね

コーヒーを淹れるのは

鼠の仕事で

テーブルを拭くのは

虎の仕事

僕はいったいなにをしよう?

仕事がなくて

悲しい気持ちでいたら

大丈夫と女の子が

髪を撫でた

女の子の指はとうめいで

中にきれいな赤い血が

枝分かれしながら流れてる

まるで上空から見た夜の渋谷

のようで

車や道そのものがなかったら

渋谷の光の流れは存在しなくて

血や血が行きつく中心部が

なかったら

この子はいないのだ

僕のこの悲しさは

どこから来ているのだろうか?

みんなそれをもってるの

あなただけじゃない

女の子は言ってくすくす

笑った

とうめいな手を

僕は

ずっと握りしめていたいのに

握っている感覚は

手のひらに

少しも感じられないのでした

近くにいた虎が

今夜はビールでも飲もうか

とおおきな声で言った

俺はな、

星を見ながらビールを

飲むのが好きなんだ、昔から

おまえの星を

見つけてやるから今夜は

黙ってビールを飲もうぜ